「ルースを育てた家」での最終戦
2010年5月10日午後、アメリカ東海岸の港湾都市ボルティモアの郊外で、ある野球の試合が行なわれていた。翌日からは、上原浩治投手の所属する地元オリオールズが、イチロー選手のシアトル・マリナーズを迎えてのメジャーリーグ3連戦が予定されていたが、この日の試合は、ハイスクール同士の何の変哲もない練習ゲ…
View Article独自性が薄れる専門学校の「官頼み」
私大入試が佳境に入る二月中旬から、新聞やテレビでは専門学校の広告が目に見えて増えてくる。多くの専門学校は四月の入学式直前まで生徒募集を続ける。大学と違って偏差値によるランク付けとはほぼ無縁のため、知名度が生徒募集に大きく影響するのだ。 専門学校は「専門課程」を持つ専修学校である。専修学校の生徒数…
View Article【インタビュー】水木楊(作家) 母校自由学園の経営になぜ作家は乗り出したのか
「帰りなんいざ、田園まさに蕪れんとす。なんぞ帰らざる」――中国の詩人、陶淵明(三六五―四二七年)が、官職を辞して田舎に帰る決意を歌った詩「帰去来辞」である。この春、東京都東久留米市にある自由学園の理事長に就任した作家の水木楊(本名・市岡揚一郎)氏(七一)は、経営者として母校に戻る心境を、この詩に重…
View Articleドイツ ドイツ教育の「時代不適合」
[ベルリン発]かつては、ゲーテやシラーなどの大作家やカントに代表される数多の哲学者を世に送り出してきたドイツ。二十世紀半ばまでは、放射線を発見したレントゲンやブラウン管の発明者ブラウンら、物理、化学、医学などの分野でノーベル賞をほぼ独占するほどだった。優秀な頭脳が輩出した歴史を持ちながら、今や、栄…
View Articleイスラエル 内情複雑だからこその奮励
[エルサレム発]今年、日本はノーベル賞で大いに盛り上がった。物理学賞と化学賞で一年に四人の受賞が決定(現在は米国籍の南部陽一郎氏も含む)。日本では一九四九年に湯川秀樹氏が物理学賞を受賞以降、わずか十六人のノーベル賞受賞者のうち四人が集中したのだから、フィーバーも当然と言えるかもしれない。 一方、日…
View Articleイギリス 「平等化」追求の皮肉な結果
[ロンドン発]ゴードン・ブラウン首相は悩みの種が尽きない。経済の見通しは暗いし、労働党は五月のロンドン市長選をはじめ、地方選挙や補欠選挙で負け続けだ。官僚たちは、ブレア政権の財務相時代からブラウンがぜったいに譲らないと公言してきた財政健全化路線を静かに踏み外したばかりか、重要な機密書類をそこらに置…
View Article【インタビュー】フランシスコ・エスペホ(WFP国連世界食糧計画・学校給食プログラム政策アドバイザー) カップ一杯の「給食」が子供たちにもたらすもの
飢えている人に魚を与えるか、それとも漁の仕方を教えるべきか――途上国援助を考える時によく使われる問いだが、WFP国連世界食糧計画・学校給食プログラム政策アドバイザーのフランシスコ・エスペホ氏は、「両方」と答える。 たしかに、学校給食があれば、貧しい家でも子供を労働させるより一食与えてくれる学校に…
View Articleインド(下) 救いのない公立学校の実態
インド国内に存在するほんの一握りのエリート校から目を転じ、国土全体を見渡すと、国の未来を背負うべき何億人もの子供たちを置き去りにするインド教育の複雑さと不十分さが見えてくる。実際、質の高い教育を受けられるごく少数と、そうではない圧倒的大多数の子供たちとの間の格差は、先進国ではあり得ないほど凄まじ…
View Articleインド(上) 難関大学は世界一の狭き門
近年、インド国内外でインド人プロフェッショナルの活躍が目覚ましい。なかでも、情報技術(IT)、エンジニアリング、医学、そしてビジネス・金融の四つの分野で際だった活躍を見せている。 IT分野だけでも、在米インド人起業家支援組織であるTiEの設立者で自身いくつもの企業を興しているカンワル・レキ、ベン…
View Article傍観者に働きかける米国流「最新いじめ対策」
洋の東西を問わず、いじめの蔓延は悩みのタネ。アメリカの教育現場での対応策をレポートする。 昨年十一月五日から八日まで、米フロリダ州で第四回国際いじめ防止会議が開催された。世界から集まったいじめ対策専門家は約四百人。日本からの発表者はなかったが、オーストラリアのケン・リグビー博士が「傍観者をいかに変…
View Article性犯罪前歴者に英会話を習いたい?
十年前にコロラドで「美貌の六歳」を殺した犯人が、いまごろバンコクで捕まるなんてまさかと、まず疑った。だがコロラドからのAP電によると、故ジョンベネちゃんの父親はテレビに出て「ほっとしました」と語ったという。殺された娘の親なら、警察から何か確実な連絡を受けているだろう。やっぱり真犯人かなあと、私は…
View Article教育改革で独歩する品川区の「小中一貫制」
あまりに多い中学生の不登校に教育界が頭を抱えている。文部科学省の「学校基本調査」によれば、不登校生徒の数は一九九一年の五万四千人に比べ、全生徒数の減少にもかかわらず、二〇〇五年は十万人とおよそ二倍に達している。いまや三十六人に一人が不登校だ。 不登校の原因も様々だが、小学校の教師との関係と中学校…
View Article【フォーサイトノンフィクション】 フィンランド「世界一の教育」の秘訣を探る 2
教師の質、とりわけ学校運営全般をつかさどる校長の質向上に邁進するフィンランド。そこでは、どのような人物が校長に登用され、いかなる「校長研修」が行なわれているのか。「オペッタヤ、オペッタヤ、オペッタヤ(教師、教師、教師)!」を合い言葉に、教師の質を高めることで教育の質をさらに高め、教育現場を活性化し…
View Article【フォーサイトノンフィクション】 フィンランド「世界一の教育」の秘訣を探る 1
生徒の思考力をはかるテストで世界一になったフィンランド。教師たちは「特別なことは何もしていない」と言うが、日本が見習うべき事は数多くある。教師の質を高めるために、フィンランドは何をしているのか。 世界の教育界がフィンランドに注目している。経済協力開発機構(OECD)の国際的な学習到達度調査であるP…
View Article“世界制覇”をめざす中国語の「アメリカ浸透」
中国ブームに草木もなびくアメリカでは、公立学校で中国語の授業が拡大。それを中国政府が積極的に後押しし……。 アメリカ人にとって“魅力あるアジアの国”は、もはや日本ではなく中国になってしまったのか。 米国内には中国製品があふれ、新聞やテレビの中国報道が圧倒的に増えている。とくに象徴的なのがモーニング…
View Article日本の若者たちの写し鏡となる階級社会イギリスの“野郎ども”
『ハマータウンの野郎ども』Learning to Labourポール・E・ウィリス著/熊沢誠・山田潤訳ちくま学芸文庫 1996年刊(単行本は85年刊)...
View Article日本の教育は「脱ゆとり」から「脱文科省」へ?
学習指導要領の改定に向けた論議が熱を帯びている。読解力、英語、週休二日、「到達目標」と見直しのポイントは多いが……。 この半年ほどの間に、子どもの「学力低下」に関する各種アンケートが新聞紙上を賑わせたのをご存じだろうか。「小学生の四割が『天動説正しい』」(国立天文台研究者の調査)、「赤十字は『あか…
View Article【ブックハンティング】官僚の珍妙な論理を冷静に論破した福井節
保育園に調理室がないと園児がキチッとした大人になれない。 理容師と美容師が同じフロアでヘアカットするとお客に危険が及ぶだけでなく、文化が破壊される。 外国人の永住許可に当たり必要な専門学識の判定は、専門家の見解など聞かず本人の申告だけに基づき入管局職員が行なうが、それは「上に立つ者」の「高度の政…
View Article【パースペクティブ】 保守派よ、教育現場のナショナリズム暴走を止めよ
国旗国歌法の成立を機に、教育現場で「愛国心」が強制されるようになった。しかし、官僚的な押しつけで本当に「国を愛する心」は育まれるのか。東京都をはじめ全国で進む「教育正常化」を、保守の立場から批判する。 健全な自己愛を持たない者は、他者と良好な関係を築くことができない。親しくなるとむやみに依存し、避…
View Article金融業界が熱い視線を注ぐ「病院・学校の証券化」
病院の建て替えだけで今後五年間に四兆円。最後の巨大市場を巡る動きはすでに始まっている。「最後の巨大市場」――。金融・証券関係者が口を揃えて語り、熱い視線を注いでいる分野がある。病院や学校の直接金融への参入だ。銀行融資に依存していた医療・学校法人が債券を発行し、成長に必要な資金を調達する動きが徐々に…
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